「なんで私ばっかり」「もっと周りが動いてくれれば」
仕事や家庭がうまく回らないとき、そう思うことはないでしょうか。かよさん(40代・女性)が「暮らしのスコレ」に出会ったとき、まさに仕事の人手不足で、残業や休日出勤から抜け出すことができずにストレスを溜めていたと言います。
「人手が足りないからだ」「もっと周りができる人だったら」と思いながら、頭の中は常に仕事のことでいっぱい。その状況を変えたくて、「暮らしのスコレ」の1期生として飛び込みました。
「講義のなかで、何度もハッとしたんです。『これ、今の私の状態だ』って」
毎月の講義を重ねるなかで、かよさんに何度も訪れた「気づき」。暮らしの中で実践していった結果、今の生活がどのように変わったのかを伺いました。
抜け出せなかった、発疹が出るほどの「負のループ」
——まず、「暮らしのスコレ」に入る前のかよさんが、どのような状態だったのかを教えてもらえますか?
ほとんどの時間を仕事に費やしていました。同じ職場に25年間勤めているのですが、ここ数年は人が入っても定着せず、常に人手不足。毎日の残業は当たり前だし、土日も返上して出勤していました。今振り返ると、あれは「負のループ」だったなと思います。
——負のループというと?
新しい人が入っても、年数の長い私にしかわからない仕事も多いので「大丈夫?」「それな、違うねん」とか言いながら他の人の業務が気になるんですね。そうすると当然、自分の仕事に集中できないからミスが出ます。そして、そのミスを取り戻すのに時間が足りなくて週末も出勤する。けれど、集中力が切れているのでまたミスする……みたいな。同僚からの信頼がなくなっていくのも感じていました。
——しんどいですね。
当時は、「人が辞めちゃうから忙しいんだ」「こんなに一生懸命やってるのに、なんでわかってくれないの?」と思っていて、なんで自分ばかりしんどいんだろうと思っていました。頭の中も部屋もぐちゃぐちゃ。あまりのストレスで、顔に発疹が出始めて「もうダメだ」と……。
——「暮らしのスコレ」には、どのように出会ったのでしょうか?
当時の私は、どうにか状況を変えたいと思っていたので、巷でよく聞く「部屋を片づければ人生が変わる!」という言葉を聞いて、「そうか、部屋を片づければいいんだ!」と思って(笑)。以前は片づけを専門にしていたうきさんのインスタを覗いてみたらスコレの募集があり、「もうこれしかない」と参加を決めました。「私ひとりの力では、もう無理だ」と思っていたので。
講義のたびにハッとさせられた“自分の思考”
——実際にスコレに入ってから、どのような学びがありましたか?
最初の講義で学んだ「共同体感覚」に、まず衝撃を受けました。特に、自己受容を表す「私はできる」という言葉を聞いたときに、私は自分のことを「できない」と思い続けているなあ、と気付かされたんです。しかも、その「できない自分」を人に見せるのが恥ずかしいのは、他人を信頼していないからだとわかりました。
——「共同体感覚」のひとつである「他者信頼」の部分ですね。
信頼していないから、できない自分を見せたくないし、仕事も任せられない。頼ることができなくて「全部、自分でやらなきゃ」と抱えていたんだなと、今ならわかりますね。
——そうやって自分を客観視できることが、変化への第一歩ですよね。
あとの講義で「原因論と目的論」や「タテの関係・ヨコの関係」を学んだときも、同じように「これは自分だ!」と自覚する瞬間がありました。
例えば、私はずっと「人が足りてないから」というのを言い訳にして、環境を変えようとしていませんでした。講義を受けて、そんな生き方は嫌だなと思うようになったんですね。原因を探すのではなく、「自分はどうしたいのか」という目的を考えるようになりました。
——かよさんの本当の目的は、何だったんでしょうか?
うきさんにもセッションで聞かれて、私は「同僚からの信頼を取り戻したい」と答えていました。自覚してからは、人手不足を嘆くのをやめて、コツコツと目の前の仕事をやっていくことに集中できて。そうしたら、不思議なんですけど、新しい人が入ってきてくれたり仕事が落ち着いたりして、余裕が出るようになったんです。
——えー!あんなに人手不足だったのに……!
そうなんです。余裕が出たので、役割分担をして私の仕事を振ったり、他のチームを手伝ったりもできるようになりました。そうすると、おのずと職場の人たちとの関係もよくなって……。以前は「あの人がやってくれないから」と思ってイライラしたこともあったんですけど、今では「やってくれないわけじゃなくて、今はできへんのやな」と事実として捉えられるようになりました。そうすると、自分がどう動けばいいかも見えてきて、より優しくなれた気がします。
——「タテの関係・ヨコの関係」も、職場で活かされていますか?
基本的に「この人と『ヨコの関係』を作るにはどうしたらいいかな」と考えて人に接するようになりましたね。今までは遠慮していた別チームのリーダーに、勇気を出して自分の意見を言えるようになったのは、大きな変化です。伝えてみたら対等に答えてくれて、「ああ、私が勝手に劣等感を感じていたんだな」とわかりました。結局、この人たちとは協力できないと思っていたのは私自身だったなって。そういう経験の積み重ねで、今は職場をよくしていくために“協力していける”と思えるようになりました。
——スコレで学んだことを、どんどん暮らしのなかで実践していったんですね。すごいです!
プログラムが進むごとに学びが深まっていき、あの順番で講義を受ける意味を感じました。当たり前ですけど、本当にしっかり考えられているんだなって……(笑)
自己犠牲のつらさを、私は知っているから
——かよさんはずっと同じ職場で働かれてきて、しんどい状況もあったなかで「辞めたいな」と思ったことはないですか?
もちろんありました……けど、人手不足の渦中ではそんなこと言い出せる状況ではなかったんですよね。残る人たちがどんな思いをするのかが手に取るようにわかって、辞める選択はできなかったんです。そういう“自己犠牲”をずっとしてきたからこそ、「なんで私ばっかり」という気持ちが募っていたんだろうなと思いますね。
——今は、以前に比べて、自己犠牲の度合いはどのくらいですか?
前が100%だとしたら、今は30%くらいです。残業せずに帰宅していますし、週末に仕事に出ることもないです。
——すごい!減ってる!
仕事上、誰かに負担が偏ることは今でもあります。以前はそれを「自分が全部やればいいんでしょ」と思っていたけど、今は「お互い様」という気持ち。ただ、「なんで私ばっかり」と思うつらさを私は知っているので、そういうときはサポートしたいと思っています。あと「その姿をちゃんと見てるよ」って。
——仕事を全部やってあげるのではなくて、寄り添うような。
頑張っていたら、誰だってつい自分を犠牲にしちゃう瞬間ってありますよね。そういうときにちゃんと支え合える、相談できる土台があることが大事なんだと思います。「大変だよね」「ちゃんと見てるよ」って声をかけてもらえるだけで、自分ひとりじゃないと思えるから。
——つらい思いをしてきたかよさんだからこその視点ですね。
今は、職場の人たちのために何かできることがあるんじゃないかなと、ちょっとだけ思えるようになってきたんですよ。あんなに辞めたかったのにね。
実際、別のチームが今、以前の私のチームのような人手不足に陥っていて……。私はうきさんのように人を変えてあげられるアドバイスはできないかもしれないけれど、ただ「あの職場でいろいろなことを感じてきた私」として、その場にいることで何か良い影響があったらいいなと思います。私のチームが良い環境になってきたように、職場全体もそうなっていったら嬉しいです。
私らしい在り方で、いい時間を過ごしたい
——仕事の状況も落ち着いて、今、かよさんのなかで何かやってみたいことなどはありますか?
実は15年以上、お茶を習っているんです。それを少し広げて、何か形にできたらいいなと思っているところです。お茶ってね、その時の自分がすごく出るんですよ。上手に淹れられる日もあれば、お茶碗にお湯を入れることさえうまくできない日もある。自分に向き合えるツールとしても、おもしろさを感じているのかもしれません。
——お仕事が忙しいときも、お茶を淹れることはできていたんですか?
むしろ、お茶に癒されることが多かったように思います。忙しくても、自分や誰かのためにお茶を淹れるのを「いい時間だな」と思いますし、やっぱりおいしいお茶を飲んだらホッとしますしね。
——お茶は、かよさんを支えてきた大事なものなんですね。かよさんの淹れたお茶を飲んでみたいと思いました。
これまで周りから資格取得を勧められることもありましたし、「好きなことを仕事にするべきなのかな」と考えた時期もあったんですけど、やっぱり自分や身近な人のためにお茶を淹れるのがただただ楽しいなと思うようになりました。
でも先日、友人から「海外のお客さんが来るときに、お茶を淹れてほしい」と言ってもらって、すごく嬉しかったんです。そういう機会が今後もあったら、お茶を振る舞ってみたいなと今は思っています。
——仕事やお茶のことを話すかよさんがすごく前向きで、ご自身が変わったからこそ環境も変わってきたんだろうなと思いました。発疹が出るほどの状況だったのは、たったの3年前ですが……当時の自分を振り返っていかがですか?
あのときの自分は本当に……かわいそうだったなと思います。もうちょっと、自分に優しくしてあげられたら良かったのになって。スコレに入ってから、自分という人間の捉え方や人に対する視線が本当に変わって、だから職場のチームワークや人間関係もいいものに変わったんだと思います。もちろん、毎日いろんなことがあって「もうだめだ〜」と思う日もありますけど、前に比べたらもう全然、違う人生です。
これから職場をもっと風通しよく、軽やかにコミュニケーションが取れて、お互いに協力しながら仕事ができる場所にしていけたらいいなって。そうすれば、みんなが休みも取りやすくなって、旅行に行ったり、好きなことを楽しめたりすると思うんです。「この会社で働けてよかったな」って心から思えるような、そんな環境をみんなで作っていけたらいいなと思っています。
<「なんで私ばっかり…」がんばっても報われないように感じているあなたへ>
暮らしのスコレで自分の思考を客観視し、“人生の捉え方”を変えたかよさん。少しずつ世界の見え方が変わり、行動も人との関係性も変わっていきました。
「暮らしのスコレ」は、あなたの小さな声に耳をすます、”ほんとうの願い”とつながるための場所です。講義や瞑想、プライベートセッションなどを通じて、自分らしい生き方を一緒に探求していきます。(3期までのプログラムの詳細はこちらをご覧ください。)
次回(第4期)は2027年1月にスタートを予定。スコレにご興味のある方への無料カウンセリングが人数限定でスタートしております。公式LINEからお問い合わせください。

