お片づけでたくさんのお洋服に触れてきて気づいたことは、アウター類(コートやジャケット)ほど「“その時代”を反映している服はない」ということです。
代表的なものでいえば肩パッド。1980年代のアウターには必ずといっていいほど肩パッドがついていましたし、10年くらい前はウエストが締まったAラインのものが主流でした。そこから最近になると、オーバーシルエットだったり、前ほどピッタリしていない、ゆったりリラックスなデザインがメインになっています。
いつもお話ししていますが、「流行を追いましょう」という話では決してなくて、
「そのアウターを着て、どんな気持ちになりますか?」
「着たい!と思うアウターは、どんなものですか?」
ということ。特にアウターは、11月〜3月の5ヶ月という長い期間、「自分の一番外側」として人の目に触れているモノです。
これまでに、せっかくアウターの中に着るお洋服を整えてきたので、それを踏まえてどんなものを纏いたいか、あらためて考えていきましょう。
アウター類は機能性がどんどん進化していて、例えばコートだったら昔は「いいコート=重い」のが当たり前でしたが、今は「暖かいけど軽い」モノが多くデザインされていたり、レインコートなら「雨風は防ぐけど蒸れにくい」とか、私たちの暮らしを快適にしてくれるモノが本当に増えてきました。
着てみて「重い…」「蒸れて不快…」と感じるモノは、「自分を幸せにするモノ」ではなく、「自分にストレスを与えるモノ」にあたります。
それらを手放すには、自分を傷つけるモノは手放してもいいというゆるし。そして自分を幸せにしてくれるモノを手に入れていいというゆるしが大切になってきます。
引っ越しやライフステージの変化によって、必要なアウター類も変化していきます。
寒い地域から暖かい場所に引っ越した、駅近に引っ越してオフィスも直結なので、冬でも薄手のコートが使いやすい、普段は車移動だから厚着しない、とか。
子どもが産まれて自転車移動が多くなったり、しゃがむことが増えるとロングコートだと動きにくくなりますし、「子どもがいつも走り回っていると自分も動くことになるので、薄着が楽なんです」という方も。
それ以外にも、温暖化の影響で冬でも暖かい日が多かったり、あったかインナーが主流となったりと、さまざまな要因で寒い時期の服装はどんどん軽量化されてきています(ユニクロさんが、ヒートテックを初めて販売したのが2003年だそう)。
逆に、「私、めちゃくちゃ寒がりなんです」という方もいれば「子どもがサッカーをやっていて、試合の時はずっと外で観戦しているの分厚いダウンが必須!」という方も。
アウターは、時代やいまの自分の暮らしによって、必要なものがガラリと変わります。
アウター類を片づけているときによく聞かれるのは、「着るかどうか分からないけど、“ちゃんとしたときのジャケット”って、残した方がいいですか?」という質問です。
これもやっぱり「それを着たい!と思うなら残したらいい」というのが私からのアドバイスになります。
大事な時に、そのジャケットを着て出かけたいですか?
その“ちゃんとしたとき”って、最近ありましたか?そもそもそれは、自分が望んでいる時間ですか?
もし自分が望んでいる時間(その時間を過ごす自分の在り方、精神性)でないのであれば、手放してしまって大丈夫。それを手放すことがそのまま、自分が心地よくいられない時間を手放す、という現象につながります。
モノを残すということは、良くも悪くも「その可能性を残す」ということ。自分が残したい可能性は本当にそれなのかを、見つめ直すよい機会にしていただければ嬉しいです。
ちなみに、そのモノを手放したとて、その可能性を一生諦めなければならないということではないので、重く捉えすぎないようにしましょう。「いまは一旦、別のことを大切にするという決断をしてみただけ」というふうに、軽やかに考えるのがポイントです。いま手放しても、またやりたくなったらいつだってそれを手繰り寄せることができるのです。
厚手コート
薄手コート(レインコートやウィンドブレーカー)
ジャケット
その他羽織
アウター類の収納は、基本的にはハンガー収納です。毎年着ているのであれな、埃除けのカバーを被せる必要もありません。クリーニングに出すとビニールがかかって返却されますが、なかに湿気が溜まりカビる原因になりますので取り外すようにしましょう。(頻度が1年に1度もないくらい低いようであれば、通気性の良いカバーを別途買って取り付けましょう。シワにならないものならば、収納ボックスに畳んで収納するのも◎)
ハンガーは他のトップスと同じもので大丈夫ですが、男性用のスーツなど、肩部分の型崩れが心配なジャケットなどは、アウター専用のハンガーを使ってあげると良いです。
使用頻度がかなり低いアウターや、衣替えの必要があるクローゼットの場合は、アウターのボックス収納もおすすめです。クローゼットの天袋や、押し入れの枕棚のサイズに合わせてボックスを用意しましょう。あまり大きなボックスだと出し入れ時危険なので、無理せず小分けにしてあげるのがポイントです。
◎おすすめ収納ボックス
【IKEA/スクッブ】
大人物、厚手のものはこちらがおすすめ!無印良品の「布に貼れるラベルシール」でラベリングできたらプロ並みの収納です!
【無印/PP収納ボックス】
小さいサイズのモノや、シャカシャカした薄手のモノはこちらでも◎中身が透けて見えるので分かりやすいです。蓋は別売りになりますがぜひ蓋もセットで使ってください。
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それではアウターの片づけ、トライしてみましょう!