15. 水回り

うき | 31 July, 2024


          
            15. 水回り

洗面・お風呂場で片づける主なモノたち

今回は、「水回り(洗面・脱衣所、お風呂、トイレ)」にあるモノたちを片づけていきます。

・スキンケア
・ボディケア
・ヘアケア
・コスメ
・オーラルケア
・衛生用品
・タオル
・洗濯洗剤
・掃除用洗剤
・洗濯用品
・掃除用品

など、「自分の身体やおうちを清潔に保つモノ・ケアするモノ」を片づけていきましょう。ここに書いてあるモノ以外にも、洗面スペースで管理しているモノがあれば、一緒に片づけます。

 

スキンケア・ボディケア用品

スキンケア用品などの、「肌に直接触れるモノ」は、鮮度を意識して見極めていきましょう。目安は開封から3ヶ月程度、私はなるべく1ヶ月で使い切るようにして、ストックは持たず、「そろそろなくなりそうだな〜」と感じたら次のモノを買うようにしています。

私は飽きっぽい&いろいろ試してみたいタイプなので、同じモノを使っていると、どうしても飽きてしまいます。新しいモノを使うときのワクワク感が、暮らしの小さな楽しみになっているのと、なぜか新しいモノを使うときの方が、いつもよりちょっとだけ丁寧にケアしているような気がしています。

あとは、30代になってから季節ごと?時期ごと?の肌の変化も感じるようになってきて、最近乾燥しているからしっとりめのモノにしようとか、ニキビがよくできるから薬用のモノを使おうとか、「ストックしたものが、いまの肌の状態に合うかはわからないんだなぁ」と改めて気づき、MY定番にも拘らなくなってきました。

スキンケア用品を見直すときは

  • いまの自分の肌に合っている?
  • 好きな使い心地?
  • 過剰すぎてはいない?(つけすぎが肌トラブルを引き起こしたり、不必要なモノをつけているケースもあります)

と自分に聞いてみてあげましょう。

使ってみて合わなかったモノや、使いきれなかったモノは、もったいないけれど捨てましょう。使わないモノを保管するスペースや、「使わなきゃ…」とすり減る精神状態の方が、よっぽどもったいないことだということを思い出してください。

 

試供品は全捨て

また、片づけをしていると大量に出てきて、大量に捨てるのが「試供品」。試供品は基本的には全捨てが前提です。

まず、試供品のパウチ(包装)は、長期保存用になっていないので、中身の劣化が早いです。古いモノは、肌を整えるどころか、トラブルの原因ともなります。

私は、試供品をいただいたらすぐに使うようにしています。直近で旅行の予定があれば、その分だけ残しておくこともあります。でも、また無料でもらえるモノだし、家にストックしておかなくてもいまはコンビニやドラッグストアで化粧品のパウチが売っているので、そこで調達すればOK、くらいの感じです。

たくさんの試供品を持っていても管理するのが大変で、よっぽどマメな方でないと難しいだろうなぁと思います。ぐちゃぐちゃになった試供品の中から、必要なモノを探して…の手間を考えると、「その都度調達」の方が準備が手軽でおすすめです。

 

モノを持つ理由は2つある

モノを持つ理由は2パターンあると言われています。
①好きだから持っている
②コンプレックスを隠すために持っている

特に、スキンケア用品やコスメは、「②コンプレックスを隠すために持っている」モノが多いと言われています。

例を挙げると、私は肌が荒れやすいことがずーっとコンプレックスでした(いまも)。学生時代は、とにかくあれやこれやを顔に塗って症状を抑えようと、いろんな化粧品を塗りまくっていました。その化粧品に効果がないと、「もっと高いのを使えばいいのかも…」と、どんどん使うアイテムが増えたり、高価なモノに手を出すように。あの頃の私は、学生なのに月に数万円は基礎化粧品に使っていました。自分のコンプレックスを隠そうとすると、モノはどんどん増えていくのです。

あるとき、婦人系の疾患があり婦人科を受診すると、ホルモンバランスの乱れが激しいことが判明し、バランスを整える薬を服用することになりました。すると、肌荒れがピタリとなくなり、「肌という表面の問題ではなく、内側の問題だったのだなぁ」と気づいたのです。

私たちは、なにか問題が起きると、モノを増やしたり、やることを増やしたりと、「増やす」対策をとりがちです。でも、問題解決のためにモノやTODOを増やしているときは大抵、その本質に向き合っていない、根本的な解決に取り組めていないという証拠でもあります。

現在は、ホルモンバランスを整える薬の服用をやめて、「しっかり休むこと」「心の状態を安定させること」を優先しています。今でも、忙しかったり、季節の変わり目、生理のタイミングなどで、肌が荒れることはよくあることですが、「肌荒れしたら恥ずかしい」というコンプレックスを手放したので、以前のように落ち込むことはなくなりました(やっぱりテンションは下がるけど笑)。肌が荒れたということは、なにか無理をしていたり、過剰だというサイン。「ちょっとペースを落とそう」「今日はもう寝よう」と見つめ直すきっかけにしてします。あとは、季節の変わり目や、生理前に身体が乱れることは、とても「自然」なこと。だから「いちいち大袈裟に捉えるのはやめよう」と自分に声かけをしています。

そのモノを使うことで、本質的な解決につながっていますか?
他のアプローチが必要なのではないでしょうか?
そもそも、そのコンプレックスはなにがいけないのでしょう?

手放すのは大変だけれど、それは大きく変化できるということでもあるのです。

 

コスメ

コスメも、肌に直接つけるモノになるので、使用期限に気をつけましょう。私も知ってびっくりしたのですが、コスメは基本的には開封後3ヶ月〜1年で使い切った方がいいそうです。理由は酸化しやすいから。オーガニック系などで酸化防腐剤不使用のモノは、もっと早くに使い切ってあげたほうが良いそう。

アンチエイジングには気を使うのに、酸化(エイジング)したコスメを使い続けていては、本末転倒なのでは?と個人的には感じています。

とはいえ、数ヶ月〜1年でお化粧品を使い切るって、なかなか大変ですよね。私は季節ごとにコスメを買い替えているので(衛生面と、自分の楽しみのために)、使い切れることってほとんどないのですが、コスメのリサイクルをしているCOSME no IPPOさんに寄付をしています。

また、メイク用品がオイルなどでベタベタしていたり、汚れている人がとても多いです。自分を美しくしてくれるアイテムに敬意を持って、この機会に丁寧に汚れを拭き取ったり、スポンジクリーナーブラシクリーナーなどを使って道具類も洗ってあげましょう。

アイシャドウなどの粉物が湿気などで固まってしまっているときは、表面にマスキングテープを貼って、優しく剥がしてあげると、固まりがきれいに取れますよ。

 

心の在り方が大事

コスメも「②コンプレックスを隠すために持っている」という方が多いカテゴリーです。

同じ「お化粧をする」という行為でも、「自分の嫌いなところを隠す」などのように、自己否定が起点となっているのか、それとも「自分の好きなところを活かしたい」とか、「可愛くなったら私が嬉しい」とか、「自信が持てて外出が楽しい」とか、自分がポジティブに過ごすための活力として行なっている(=①好きだから持っている)ことなのかが、とても重要です。

もしあなたが、自分にとってのコスメとは「②コンプレックスを隠すために持っている」という関係性になってしまっているなぁ、という場合は、本質に向き合うことから始めましょう。

それはどんなコンプレックスなのか。
それによってなにを恐れているのか。
本当にそれは起こるのか。
それがあなたの大切にしたいことなのか。…

この問いかけをしたところで、持っているコスメに変化はないかもしれません。でも、あなたにとっての「コスメ」という存在の意味づけは確実に変わります。それこそが、多くを捨てることよりも、もっともっと大切な変化なのです。

 

コスメを極端にミニマルにしていた私

ちょっと個人的な話を書きます。

「コンプレックスがあると、それを隠そうとどんどんモノが増える」と先に書きましたが、実は「コンプレックスゆえに、モノが持てない」というケースもあります。この場合、「そもそも自分にコンプレックスがあると認めていない」「モノが溢れていない=一見問題が表面化していないように見える」という点で、さらにタチが悪いのです。なにを隠そう、私とコスメは、長い間そういう関係性にありました

きっかけは、大学で”What is the beauty?”(美しさとはなにか?)というテーマの授業を受けたことです。内容は、私たちがいかにメディアを通じて提示されている画一的な「美しさ」ー肌が白い方がいい、背は低い方がかわいい、目はぽっちりがいい、髪はストレートがいいーに縛られているか。現代のマーケティングが、いかに「いまのあなたは美しくないので、これを買ってもっと可愛くなりましょう」というメッセージに溢れているか。ということを学びました。

そうして私は「見た目に囚われるような、浅はかな人間に見られたくない」という想いを抱くようになりました。見た目に囚われない、というのは、とても大切なことなのですが、いかんせん極端だったなぁと思います。

自分の見た目にこだわることは、自分が世間からどう見られているかを意識しているということ。「自分」を受け入れられず、否定しているから、着飾ろうとしてしまう。そんなふうに、「見た目を磨く」ことに対して、一面的な見方しかできていなかったのです。

さらには、「可愛くなりたい」と努力したところで、自分より可愛い人はたくさんいるのだから、「頑張ってもこの程度か」ともし思われてしまったら恥ずかしい。それなら、「私はなにもしていないから、この程度なんです。」という態度でいればいいんだ、という、自分を卑下するような考えまで加わっていきました。

そういう態度でメイクに関わっていると、自分がどんどん卑屈になっていきました。メイクに使うお金、時間は「無駄なもの」と認識し、街を歩けば店頭に並ぶコスメを見るたび、「人の弱みにつけ込んで“こうあるべき”を強制するもの」のように感じてしまうし、「美容やメイクが好き!」という人を、単略的に「浅はかだな」とジャッジしてしまったり。

浅はかなのはどっちだよ、という話です。

お化粧に興味がない、すっぴんの方が気持ちよくて好き、ということでコスメがミニマルなのではなく、「人からこう見られたくないから」という他人軸で、自分の「好き」を閉じ込めていたのです。いやいや、「見た目に囚われるような、浅はかな人間に見られたくない」なんて、めちゃくちゃ「人にどう見られるか」を気にしてるじゃん!という、大ブーメランに気づくこともできずに。笑

でもあるとき、わたし自身が子どものころって、とても純粋な気持ちで「可愛くなりたい!」って思っていたなぁ、ということを思い出したのです。

今日は保育園にどんな服を着て、どんな髪型で行こうかな、と考えるのはとても楽しかったし、大人たちがお化粧をしている姿を見て、可愛いな、私も大きくなったらお化粧したいな、と憧れて、母からいらなくなった口紅を初めてもらったときは、本当に嬉しかった。

あのときの私は、誰のためでもなく、自分のために「可愛くなりたい」と思っていました。そのことが純粋に楽しかったのです。

でも、大人になるにつれて、「美」は楽しいことというよりも、恥ずかしくないように、ダサいと思われないように、こういうふうに思われるように…と、「世間や誰かのため」や「ねばならない」に縛られ、最後は「浅はかなこと」という意味づけの中で、狭く生きていたなぁと思います。

考え方がガラリと変わったいまは、街中でコスメを見たら、私も心がウキウキするし、「女性を応援するモノ」というエネルギーをもらいます。自分がどういうフィルターをかけて、世の中を見るのかによって、世界に傷つけられることもあるし、逆に同じモノから元気をもらえたりするんだ!と、コスメを通して貴重な体験をすることができました。

モノを減らすことも大切だけれど、本質は「モノとの関わり合いで生まれる喜び」にあるのだということを忘れずに、片づけに取り組んでいただきたいです。

 

ヘアケア用品

・インバス用品(シャンプー、コンディショナーなど)
・アウトバス用品(スタイリング、ヘアオイルなど)
・グッズ(ヘアブラシ、ドライヤーなど)

ヘアケア用品を片づけていくときにも、もっとも大切になるのが「いまの自分に合っているか」という視点です。

髪が短かったときに使っていたもの
髪が長いときに使っていたもの
パーマをかけていたとき
髪を染めていたとき…

その時の髪型によって、ヘアアイテムも変わっていきます。いまの自分に合ったモノへ、アップデートさせてあげましょう。

 

衛生用品

・歯ブラシ、歯磨き粉、フロス
・生理用品
・綿棒やコットン
・コンタクト用品
・剃刀、ヘアカット
・入浴剤 …など

このカテゴリーの特徴は、とにかくストックを大量に持ちすぎ!ということです。綿棒は一番多いご家庭で300本入りが6つ=1,800本の綿棒のあるおうちも。一日1本使うとしたら、すべて使い切るのに約5年かかる物量です。

歯ブラシももらったり旅行先から持って帰ってきたり、コンタクト用品はネットでまとめ買すると安いから…と、買ったりもらったりしてはどんどん詰め込まれ、存在を忘れられ、そしてまた買ってくる…という状況になりやすいのがこの「衛生用品」のカテゴリーです。

 

ストックはなくていい

ストックに関しては「基本的には持たなくていい」と思っています。現代という時代は、ネットで買ったモノが翌日に届くし、スーパーやコンビニもたくさんある、恵まれた時代です。そういったネットストアや、スーパーやコンビニが、私たちの代わりにストックをしてくれています。昔のように家にストックして置かなくてもよいのです。

基本ストックを持たない私が、次のモノを買うタイミングは、「いま使っているモノが、そろそろなくなりそうだな」というタイミングです。たまに新しいモノが届く前に在庫が切れてしまうこともありますが、それも大した問題ではありません。味噌が切れたらコンソメでスープを作ればいい。ティッシュがなかったらタオルがあるし、洗剤が切れたら、ひどい汚れでなければ水だけで洗濯しても十分落ちます。「ストックがなくなったらまずい」と過大に問題視している方が多いのですが、実はそんなに問題ではないのです。

ストック過多な方の特徴の一つが、「肝心なモノの在庫が切れがち」ということです。例えば、トイレットペーパーや生理用品、お子さんがいる方ならおむつ、ペットがいる方ならペットシートなど、「1日でも切れたら結構やばいモノ」の在庫管理ができておらず、「本当にまずい!」という状況になりがち。それは、ありとあらゆるモノのストックを持ちすぎた結果、本当になくなったら困るモノの在庫管理にまで手が届かなかった、ということ。自分で自分の首を絞めているようなものです。

私も、「本当になくなったら困るモノ」は、防災備蓄も兼ねて多めにストックをしています。そういうモノを保管することにスペースを使いたいので、それ以外のモノは「ストックは持たない」を基本にしているのです。

多すぎるストック品は、またどうせ買うんだけど、高いモノじゃないから、「一旦余剰分は捨てます」という方もいます。捨てるもったいなさよりも、いまを快適に過ごせていないこと、たくさんあるから使い切らないと…!という精神的負担の方がもったいない、という考えを尊重した結果です。(どちらが正しい、とかではなく)

 

まとめ買い・大容量品は「お得」じゃない

まとめ買いや、大容量品を買いがちなのも、このカテゴリーの特徴です。「その方がお得だから」というのが理由なのだと思うのですが、その数十円、数百円のお得は、本当にお得ですか?というのが、私の問いたいことです。

たくさんのモノをストックするには、「スペース」が必要です。そのスペースには家賃などのお金がかかっています。使わない間、「保管しておくこと」にもお金がかかっているということです。また、ストックの多い人はモノを大切に使わないという研究結果もあります。いっぱいあるからたっぷり使おう!と無駄に多く使ってしまうんだそうです。

さらに、モノが増えると管理の手間がかかります。自分の貴重な時間、エネルギーをストックのために費やしなければならないということです。モノが増えるとお家がごちゃついて、ストレスになります。探し物に時間がかかったり、家族から「あれどこ?」と聞かれたりして、イライラの原因になることもあります。気になっている新商品があっても、「まだストックがあるや…」と本当に使いたいモノが買えないフラストレーションが生まれたり、暮らしが「ストックを使い切る」という、やらねばならないことをこなしていくための作業と化してしまい、人生に彩りがなくなります。

それでも、まとめ買いで得した数十円、数百円は、本当にお得なのでしょうか?

 

「送料無料」にこだわらない

ネットショッピングで、送料を無料にするために、必要以上に買ったり、不要なモノを買ってしまうという方も、とても多いです。

たまたま必要なモノをカートに入れた結果、送料が無料になればラッキーですが、そうではないとき、私は送料を喜んでお支払いするようにしています。誰かが私の代わりに商品をまとめて、梱包して、暑い寒い関係なく届けてくれることに、ちゃんとお金を支払いたいと思っています。

そもそも、私たちが意識をしていないだけで、「買い物に行く」ということ自体に、多くのお金や時間といったコストがかかっているはずなのです。まずは交通費。徒歩でなければ、電車賃やガソリン代がかかっています。出かける準備をし、買い出し先に行って、必要な商品を探して、レジに並んでお会計をして帰ってくる時間。重いモノを持ち歩く労力。暑い日、寒い日、雨の日や、子連れで…などの状況でも、買い物に行くというエネルギー。買い物がてらついつい買ってしまう飲み物やおやつ(私だけ?)。

それらを考えると、私は送料をお支払いするのは、全然「損」だとは思いません。なんなら送料を支払ってでも、オンラインで買う方がいろんな面で「お得だなぁ」と感じています。

 

タオル

・フェイスタオル
・バスタオル
・バスマット
…など、洗面で使用するタオル類

タオルは、五感を育むモノと言われています。タオルの手触りは、私たちの感性に影響を与えるモノなので、タオルを選ぶときには、手触りをしっかり確かめて、「気持ちいい」と感じるモノを残していきましょう。

タオルは、お風呂で1日の汚れや疲れを洗い流し、もっとも神聖な状態の身体を拭きあげるという、とても重要な役割を持つものです。ゴワゴワ、ざらざらしているタオルで、自分の身体は喜んでくれているかどうかを、身体に聞いてみましょう。

 

掃除用に残すのはNG

使い古したタオルを、掃除用に溜め込むのは、基本的にNGです。理由は、管理できていないご家庭がほとんどだからです。

布物って、「まだ何かに使えそう」と、雑巾などにして活用しようとしてしまいますが、古くからの言い伝えでは、古い布はご縁をなくすと言われています。掃除用に残すのであれば、すぐに使い切れる量にとどめましょう。

大量に残しておいて、全然使い切れていないご家庭も多いですが、それは掃除をする頻度に対して、モノの量が「過多」になっている、つまりそんなにいらないよ、ということです。「小さく切って使おう」としても、わざわざ切る手間が面倒で放置していたり、頑張って切っても結局使っていなかったり。そもそもカットしているときに、繊維がボロボロ落ちて散らかるし、掃除してもキレイにできているというより、ただ繊維を振り撒いているだけなのかわからなくなって、虚しい気持ちになるのは、私だけでしょうか。

大体の方は、古布を「そいうふうに使わないといけない」と思い込んで、自分にとってストレスとなるような関係性を築いてしまっているようです。そのようなモノとの関係性は、あなたの時間やエネルギーを奪ってしまうだけなのです。

タオルを小さくカットする時間は、本当に使いたい時間の使い方ですか?
たくさんの掃除用タオルがあるけれど、全部使い切るほど、本当に掃除が好きですか?
たくさんの掃除用タオルは、「これを使い切らなきゃ」と自分にプレッシャーを与える存在になっていませんか?

この片づけで学んでほしいことは、「古いタオルは有効活用しないといけない」という“ねばならない”や正義感を無理やり押し通すことではなく、「古いタオルを有効活用したい気持ちはあるけれど、現状そんなにいらない。それに、管理する時間や空間が今の私にはないし、他に大切にしたいことがあるから、一旦これは諦めよう。」というゆるしです。

タオルの役割は「身体を拭くこと」。だからもう、タオルとしての役割は終えているのです。ヨレヨレのおじいちゃんに「まだまだ頑張れ」とこれ以上お尻を叩く必要はないのです。

モノの扱いは、自分の扱いと同じ。その観点から見てみると、モノの役目が終わっても「まだ何かに活用しないと…」と思ってしまう方は、自分に対しても「まだまだ、体力の限界まで頑張らないといけないよ」と、自分をボロ雑巾のように扱ってしまっているのかもしれません。

 

タオルを洗濯するときの注意事項

洗濯をするときに、柔軟剤を使っている方は、タオルの洗濯時には使わないようにしましょう。実はタオルを買ったときについてくる商品タグに、「柔軟剤は使用しないでください」と書いてあるはずなのですが、あまり知られていません。

柔軟剤は、その成分で繊維をコーティングしてうため、タオルの吸水力がグッと下がってしまい、「水を吸う」というタオル本来の目的を果たせなくなってしまいます。また、柔らかい風合いを保つために、自然由来の洗剤の使用を進めているタオルメーカーさんもあります。

 

洗濯洗剤

洗濯洗剤の片づけをするためには、「正しい洗濯の仕方」について知る必要があります。

私は洗濯のメカニズムをよく知らずに、「なんとなく」でずっと洗濯をしてきたのですが、この仕事をはじめてみると、ちゃんと洗濯のことを知らないとアドバイスができないぞ!と、いまから4年くらい前に、メーカーさんや洗濯の専門家の方からお話を聞いたりしたのち、自分でも色々試してきました。

洗濯の目的は「汚れを落とすこと」

汚れを落とすのに大切なことは、
①正しい洗剤の量
②正しい水の量

の2点です。

①正しい洗剤の量とは、表示された通りの洗剤の量を守ること。洗剤が少ないと汚れは落ちないし、洗剤が多いと、洗剤成分が衣服に残ってくすみや匂いの原因になります。

②正しい水の量とは、まず、洗濯機に衣服を詰め込みすぎないこと。一度に洗濯するのは、水の量に対して8割程度にすること。そして、きちんとすすぐこと(最低2回、できれば3回。汚れがひどい時は「注水」ですすぐ)。いまは「すすぎ1回でOK」の洗剤もありますが、おそらく泡切れのことを謳っていて、汚れや洗剤が衣服に残っている可能性が高いです。洗濯の目的「汚れを落とすこと」を考えると、私は「すすぎ2回」をおすすめします。(ちなみにすすぎ1回のときは、柔軟剤などは使わないで!)

また、「すすぎ1回」は節水の面では環境に良いかもしれませんが、汚れ落ちが甘くなることで衣服の寿命が縮んだり、繊維に汚れが残ったままの服を着ることで起こる皮膚疾患などを考えると、「環境に良い」も一面的でしかないので、自分にとってのメリットをしっかり考えることが大切です。

 

柔軟剤や消臭ビーズの注意点

柔軟剤や消臭ビースなどは、「繊維をコーティングするもの」になるので、繊維の吸水率が下がってしまいます。タオルや肌着などに使用するのは避けましょう。

柔軟剤は、ごわつきが気になる衣服や、冬場に静電気が気にある衣服だけに絞っての使用がおすすめです。

衣服の匂いが気になるとき、それは洗剤の問題ではなく、「洗濯の仕方」の問題です。正しく洗濯ができていないから、きちんと汚れが落ちていないということです。洗剤の量、洗濯物を詰め込みすぎていないか、ちゃんとすすげてるかを確認しましょう。ちゃんと汚れを落としていないのに、柔軟剤などを使うとよりにおいもひどくなりますし、繊維も痛み、自分の肌にもよくないです。

 

わが家は「エマール」だけ

これを話すとびっくりされるのですが、わが家にある洗濯洗剤は「エマール(おしゃれ着用洗剤)」のみ。以上です。理由はというと、

①買いやすい
わが家で一番消費の速い日用品である「洗濯洗剤」。ネットや近くのドラッグストアでササっと買えることが大事なポイント。値段も安くて続けやすい。

②仕分けしなくていい
シルク混の下着や、冬のウール素材から、コットン、化学繊維までなんでも洗えるので、仕分けの手間がなくて楽。

③柔軟剤がいらない
ちょっと小難しい話になりますが、通常の洗濯洗剤は「陰イオン界面活性剤」という種類の界面活性剤が入っており、これは繊維に静電気を与えるもの。洗濯すると衣服がごわついたり、繊維の構造を壊す原因になります(だからシルクやウールは洗えない)。でも、おしゃれ着用洗剤には「非イオン界面活性剤」が使われているので、洗い上がりがごわつかないし、繊維の構造も壊れません。だから柔軟剤がなくても、滑らかな肌触りになるんです。

ちなみに、界面活性剤=環境に悪いイメージがついていますが、石けんも実は界面活性剤(石けんだって環境を乱す原因になりますが、その話は置いて置いておくとして…)。界面活性剤には2,000種類ほどあるといわれていて、その中には環境に悪いものもある、ということ。現代の日本の場合は、浄水路がしっかり装置されているので、洗剤を下水を通さずそのまま自然界に流すということがなければ、基本的には無害です。

わが家はおしゃれ着用洗剤&正しい洗濯の仕方で、洗濯物の汚れ落ちやにおいの問題はゼロ(夏場は夫は汗だくで仕事から帰ってきています)。いろんな種類のモノを管理しなくていいので、スペースも空くし、買い物も楽で、とても快適です。

 

ひどい汚れのときはどうしてる?

油汚れ:
食器用洗剤を直接つけて、しばらく置いたら洗濯機で洗う

カレー汚れ:
ターメリックの汚れは直射日光に当てると落ちます

血液汚れ:
コンタクト洗浄液で落ちます。ない場合は衣服用洗剤でOK。すすぎは必ず水で。お湯は血液を固めるのでNG。

泥汚れ:
洗剤うんぬんより、物理的な叩き洗いが◎

漂白・消臭:
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)。洗濯槽や排水溝、茶渋を落としたりとマルチに使っています。ひどい油汚れにも。

 

洗濯用品

洗濯って、そんなに好きじゃなくてもほとんど毎日やらないと間に合わなかったりするので、そんなモノこそお気に入りのモノを使って、何気ない日常の洗濯風景が、少しでも美しさを感じられたらなぁと思っています。

私は、ハンガーやピンチ、ランドリーバスケットなどを、大木製作所さんのモノで揃えています。プラスチック製だと、日光で劣化してしまうのですが、こちらはステンレス製なのでその心配がありません。

お気に入りの道具を使って、太陽の元ゆらゆら揺れている洗濯物を見ていると、心がじーんと平和になって、大好きな暮らしの景色です。

掃除用品

掃除用の洗剤は、お掃除が嫌いな人ほど増える傾向にあります。掃除が嫌いだし、どうやればいいのかよくわからないから、とりあえず「◯◯専用洗剤」などを揃えるものの、使いこなせずに放置…になっていることが多いです。

汚れって、基本は水と、物理的な力(ゴシゴシ洗う)で落ちるもの。でも時間が経つと汚れが定着して落ちなくなったりするので、そんなときは洗剤の力を借りる、くらいのイメージです。

買ったけどしばらく使っていないものは、自分の生活には合わなかったということ。おうちでいつも使っている洗剤で代用可能なものばかりなので、一度手放してしまって大丈夫です。

(一時期は重曹・クエン酸・粉石けんだけですべての掃除洗濯を賄っていたこともありますが、さすがに不便でやめました笑)

 

お風呂

わが家は基本はバスクリーナーのみ。大掃除したい!というときは、大好きな浴槽用付け置き洗剤と、風呂床用の洗剤があるので、それを使うことも。どちらかといえば掃除を楽しむためのアイテムという位置付け。

 

トイレ

わが家は流せるトイレブラシと、トイレクイックルのみ。

 

マルチユース

わが家は過炭酸ナトリウムを常備。排水溝、洗濯、キッチンまわりなどに使えます。あとはアルコールスプレー。

 

掃除に使う道具たち

使い古しの歯ブラシや古布が大量に出てくるのが、この「掃除道具」のコーナー。収納のカゴを用意して、「そこに入る分しか持たない」をルールにしてしまいましょう。

わが家は使い古しの歯ブラシを1本、古布はキッチンで使ったフキンだけ、雑巾として残しています。歯ブラシもぞうきんも、足りなくなったらコンビニや100円ショップで売っているので、「足りなくなってもいいや」という気持ちを大らかに持つことが大切です。

 

家族がストック魔の場合

「自分というより、家族がたくさんストックを買ってきてしまって困っています…!」というご相談、とても多いです。そんな場合も、片づけをして、モノの定位置を決めて、「いつもストックを買ってきてくれてありがとう。洗濯用の洗剤はここにまとめて入れるようにしたから、買うときはここに入るサイズにしてもらえると助かるよ。」と伝えてあげてください。

その後もしばらくは買いすぎたりすることもあるかもしれないですが、長年の習慣はすぐには変わらないですし、もしかしたら入ると思ったら入らなかった…とただちょっと間違えちゃっただけかもしれないので、コミュニケーションを取りながら、長い目で見守ってあげましょう。

 

洗面の収納

洗面下

モノのカテゴリー別、人別にボックスを揃えて用意し、収納します。

片づけ直後。大体はこの状態から、暮らしの中でさらに減ります。
ニトリの伸縮フリーラックと、無印良品のファイルボックス
スキンケアやコスメ、掃除道具を洗面下に収納するときは、無印良品のファイルボックス、ファイルボックス用ペンポケットなどを使用し、中身が倒れないようにします。
無印良品・ファイルボックス用ペンポケット
わが家のコスメ収納。ファイルボックスにまとめて洗面下へ。お化粧するときはボックスごと出せばメイクもラクラク。引き出し収納でもこのまま使えます。

▼収納用品
・ニトリ 伸縮フリーラック
・無印良品 ファイルボックス(10cm幅15cm幅
・無印良品 ファイルボックス用 ペンポケットポケット仕切り付きポケット

鏡裏・棚・引き出し

朝の支度でパパッと取り出したいモノは、鏡裏や引き出しに入れます。

無印良品のコットン綿棒ケース、メイクボックスなどを使用しています。
歯みがきグッズや綿棒、スキンケアなどはこちらに入れることが多いです(
わが家は洗面下に入れているので、ケースバイケース)
メイク用品を入れることも。無印良品のアクリルペンスタンドにブラシなどを入れています。
引出しの中もファイルボックスで仕切り、さらに細かい仕切り類でカテゴリーごとに分ける。

▼収納用品
・無印良品 コットン綿棒ケース
・無印良品 メイクボックス(1/2横ハーフ1/4横ハーフ
・無印良品 アクリルペンスタンド

ポイント:コスメ収納にポーチは使わない

私のおすすめしているコスメ収納は、ポーチを使わず、ボックスなどに立てて収納する方法です。ポーチに入れてしまうと、忙しい朝の身支度で、ポーチの中をガチャガチャと探さなければならず、小さなストレス。ファイルボックスに立ててまとめるか、鏡裏や棚部分に立てて収納しましょう。

 

お風呂場の収納

お風呂場は特に収納技などはありません。とにかく余計なモノを置かない。この一言に尽きます。惰性で起きっぱなしになっているモノが増えがちな場所であり、湿気が多く汚れが発生しやすいので、シンプルにしておくことが大切です。

家族と相談して、兼用できそうなモノは一つにまとめたりするのも◎また、私は顔も身体も同じ石けんで洗っています。

実は、お風呂場や洗面といった水回りは、風水で言えば「財運」を司る場所。そしてここのエネルギーは、シンプルな状態(モノが少ない状態)を好みます。

水回りがたくさんのモノで溢れていたり、掃除が行き届いていないと、金運は下がるといわれているので、信じる信じないはさておき、みなさんの片づけのモチベーションアップに繋がってもらえたら嬉しいです。

 

トイレの収納

トイレに収納がある方は、基本的には
・トイレットペーパー
・生理用品
・掃除用品
を収納しましょう。

トイレットペーパーや整理用品を収納するときは、ビニールから出して収納するようにしてください。収納とは、「必要なときにすぐ使えるようにスタンバイしておくこと」。トイレットペーパーや生理用品を替えるたびにガシャガシャしなくていいようにしておきましょう。

袋から出して収納されている状態の方が、見た目も美しいです。自分がモノの立場だったら、キツキツのビニールに包まれたまま、グシャッと置かれるよりも、袋から出して、ふわっと置いてもらった方が嬉しいですよね。そういう小さな積み重ねが、暮らしやおうちの空気を作り上げていることを忘れずに。

生理用品の収納におすすめなのは、幅19×奥行27×高さ12cmくらいのサイズのボックスです。これは私の感覚ですが、生理用品は天然素材のボックスに収納してあげたほうが、モノが喜んでいるような気がしています。

▼おすすめ
ニトリ ムスカ(クォーター)

トイレの掃除用品は、
・無印良品 ファイルボックス
・無印良品 メイクボックス(ハーフ
にまとめて収納することが多いです。

✳︎

さて、「水回り」の片づけについては以上になります!
いろんなカテゴリーのモノがあるので、混乱しがちな場所ですが、ひとつひとつ丁寧にやっていけば大丈夫。落ち着いて取り組んでいきましょう。