「まわりに影響を与えられる人になりたいんです」
いろんなお悩み相談を受けるなかで、じゃあどうなりたいの?と聞くと、「まわりに影響を与えられる人になりたい」という人が、比較的多いです。「影響を与えたい!」と強い感じではなくとも、「家族にいい影響を与えられたらいいな」と控えめな感じの方も含めて。
そこから私は、「影響」ってどういうこと?とか、私たちはどんな人から、どんな影響を受けているんだろう?と、あれこれ一緒に考えていくのですが、最近「影響を与える」ということに関して、改めていろんな気づきがあったので、まとめてみたいと思います。
「影響を与えられる人になりたい」と思うとき、まずはじめにやってほしいことは、もうすでに自分が与えている影響に気づくことです。
私たちは全員、良くも悪くも、必ずまわりに何かしらの影響を与えながら生きています。「良くも悪くも」と書いたのは、“影響”というものには、人を幸せにするようなものもあれば、人を不幸にするようなものもあるからです。
「まわりに影響を与えられる人になりたい」と言うときの“影響”って、よい影響のことですよね。であれば、自分がまわりに悪い影響、つまり、まわりを不幸にするような影響を与えていないかをチェックしてほしいのです。そしてもし、そういう影響を与えてしまっているようであれば、まずは悪い影響をなくすことからはじめてほしいなぁと思っています。
人を不幸にするような影響とは、例えば、
などがあります。
こんなふうに、一緒にいると残念な気持ちになるような人が、いくら「私はみんなにいい影響を与えられる人になりたいんです」という気持ちで“いいこと”をしたとしたって、それはやっぱり、相手に受け入れてもらうのは難しいなぁと思います(場合によっては相手の感情を逆撫でするだけ)。
…と言うと、ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、「言葉は人に影響を与えない」というのは、私が個人的に大切にしている考え方です。
私はやっぱり、影響っていうのはその人の“在り方”だなぁと思っているんです。
それも、なにか特別目立つような存在感とか、オーラとか、そういう、表面的な見え方のことではなくて、心からリラックスしているとか、集中しているとか、楽しんでいるとか、相手を無条件に信じることができる…みたいな、心の状態のこと。
自分の心の状態が、相手の心の状態に作用する。それが、まわりに影響を与えるということなのではないでしょうか。
最近私が、まさに“人の在り方”に強く影響を受けたことを書いてみたいと思います。
主催しているコミュニティ・暮らしのスコレには、「もくもく会」という時間があります。メンバーがオンラインで集まって、家事や仕事など、それぞれが取り組みたいことに集中する時間です。約2時間、zoomで繋がってはいるものの、お互いに話したりはせず、ただただやるべきことを進めていきます。
とはいえ途中で集中は切れてしまうもので、そんなときにzoom画面を覗き込むと、メンバーさんが集中してタスクに取り組む姿が見えます。その姿を見て私も「よし、もう一息頑張るぞ」と気を取り直すことができるのです。
みんな、ただ自分のことをやっているだけです。でもその姿をみて、勇気づけられている私がいる。誰も人の役に立とうとなんかしていない。ただ自分のやるべきことをやることが、気づけば他者への貢献になっているのです。
こういう影響の仕方って、すごくいいと思います。なんというか、健やかだなぁ、と。
そう考えると、まわりに影響を与えようとなんてしなくてもいいのかもしれません。あなたが何かに集中していれば、「自分も頑張ろう」と思うし、あなたが楽しんでいれば、まわりもいいエネルギーをもらえるし、疲れたときは「ごめん、ちょっと休ませて」と言うことで、「どうしても頑張れないときの自分を許してあげてもいいのかも」と心が軽くなる人もいるからです。
「“まわり”に影響を与えたい」と言っているそこのあなた。あなたはまだ、自分の人生に集中しきれていない。だから“まわり”の反応(影響を与えること)に目がいってしまっているのかもしれません。
とにかく自分の人生を生きることです。自分の人生の責任を、しっかりと引き受けて生きようとするその姿ほど、私たちが感銘を与えてくれるものなど、ないのですから。
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2024年5月20日
暮らしのスコレ|うき
(暮らしのスコレ・2期生は定員に達しましたため、募集を締め切らせていただきました。3期生の募集は、2025年1月ごろを予定しています。暮らしのスコレについて、詳しくはこちら)