家族をゆるやかに巻き込んで、みんなが片づけられる家に

うき | 13 April, 2021


          
            家族をゆるやかに巻き込んで、みんなが片づけられる家に

お名前:Yさん(30代)

日時:5月8日11時

ご家族構成:ご夫婦、お子さん3人

居住形態:戸建て(4LDK)


育児休暇中にレッスンを受けてくださったYさん。当時6歳、3歳、0歳の3児を子育てしながら、約10ヶ月かけてお片づけに向き合ってくださり、2020年12月に無事レッスン卒業。久しぶりにお話する機会をいただいて、片付いたお家での暮らしぶりについてお伺いしました。



モノの独裁管理者から解放されたい


ー最初に、ご依頼いただいた経緯を改めて教えてください。


我が家は注文住宅で、かなり収納を考えて作ったつもりだったんです。でも、収納するスペースがたくさんあった分、入れられるだけ入れてしまって。大量のモノを片付けられなくなって、お手上げ状態でした。


ーYさんは、実は整理収納アドバイザーの資格をお持ちなんですよね?


そうなんです。最初は自分でどうにかしようと思って、整理収納アドバイザー2級の資格を取りました。本も読んだりしたのですが、結局上手くいかなくて。でもきっと、本を買っている人はいっぱいいますよね。


ーそうですね。私よりたくさん片付け本を持っている方も多いです。Yさん宅はご家族が多いので、その点で悩んでいたこととかはありましたか?


私しかモノの場所を分かっていないから、家族4人全員が常に「あれどこ?」「これどこ?」と私に聞いてくるんです。旅行の準備は、もうしんどくてしんどくて。いろんなモノを探し回りながら、5人分の荷物をパッキングしていく。行く前に疲れちゃうし、帰ってきたら、しばらくカバンはそのまま放置で。そうなると旅行も楽しくないんですよね。


ー今は「あれどこ?」とお子さんから聞かれることはなくなりましたか?


なくなりました。上の子ども2人(現在7歳と4歳)は、保育園と小学校の準備は自分でしてくれます。それから末っ子(1歳)の準備はパパができるようになりました。旅行も、本当に一瞬でパッキングができるようになりました!帰ってきてからも、その日のうちに戻せるようになったから、旅行が楽しくなった。


ーそれは嬉しい!


モノの独裁管理者でなくなることを目標にしていたけど、それを達成すると、旅行自体や日々の生活が楽しくなる。片付けって本当にすごいですね。




家族や周りの人をふわっと巻き込んでいく


ー印象的だったのが、ご主人がしっかり片付けに協力してくれていて。片付けとなると、ご夫婦でのコミュニケーションでつまずくご家庭が多いんですが、何か気をつけていたことなどはありましたか?


夫はとにかく大量にモノをストックしておきたい人で。でも、モノの定位置を決めていくときに、うきさんが次々とラベリングをしてくれたので、「この場所に入る量であれば、好きなだけ買ってきていいよ」と夫に伝えたら、ストックが溢れることはなくなりました。


ーラベリングの効果が絶大ですね。片付けをやっていく中で、喧嘩になったこととかはありますか?


喧嘩はなかったのですが、レッスンによって家があまりにも片付いていくので、夫が「あれは捨てないでね」と、ちょっと焦っていました。「あなたのスペースはいじらないから大丈夫だよ」と伝えたら安心していましたが、(※レッスンではご本人のモノだけ片付けていきます)だんだん自分のスペースだけが散らかっていて居心地が悪くなったのか、最後は自分で片付けをしていました(笑)


ーあと、お母様から届いた大量の子ども服もありましたよね。


そう。それで、子ども服の購入を完全許可制に変えたんです。買いたい洋服があったら私にLINEで確認してもらうようにしました。たくさん断ってたら、最近はLINEが来なくなりました(笑)


ー好意で買ってきてくれるのを断るのは、勇気も必要でしたよね。


そうですね。だから母を我が家に呼んだんです。それで、子ども服をこんなにキレイに収納したっていうのを見せて、このスペースに入る分しか置けないということを伝えました。「どんどん服が送られてくると、前にお母さんに買ってもらった服を手放さないといけないよ」と。そしたらやっぱり心にくるものがあったようで。


ーすごい!Yさんは片付けにご家族を巻き込むのがすごく上手いですね。


家族への伝え方についても、うきさんがくださったアドバイスを参考にしました。正面からぶつかると、人は拒否反応を示すとか。


ー最初のレッスンで、「家族に強制しないこと」っていうのはお伝えはしていますね。ご依頼くださった方は、変わりたい!という想いがあるから、片付けに積極的になれるのですが、他の人にとっては、やりたくもないことを強制されるようなもの。そうなると絶対に反発されるので。


そう。だから反発されないように、ふわっと伝えて、気づいたら捕まえている、みたいな感じを意識しました。


ーYさんのおうちでは、キッズルームの片付けも印象的でした。あそこが片付いたことで、子どもたちが集中して遊んでくれるようになり、Yさんの一人の時間が増えたと伺いました。


やっぱりおもちゃって悩まれている方がすごく多いと思うんです。だけど、意外とシステムさえ整えばいいんだなと。前は、ただ「片付けなさい」言っていたんですけど、子どもたちは、どこに片付けたらいいか分からなかったんですよね。ぬいぐるみはここ、ボールはここと、写真で分かりやすくラベリングしてあげたことで、自分から片付けられるようになりました。


ー素晴らしい!お子さんも上手に巻き込めたんですね。


最近、上の子ども二人は、自分で洋服を畳んでいます。洗濯物を取り合って畳んでいますよ。日々の準備を私だけでなくて、家族でできるようになった。


ー家族がチームとして動いているという感じですね。


そうですね。家事代行も頼みやすくなりました。例えば「掃除道具は全部ここに入ってます」と案内がスムーズにできたり。キッチンは「とても使いやすくて、一品多く作れます」と言っていただけました。



モノの迎え方と手放し方がわかった


ー最初は手放すということにすごく勇気がいると思うんですが、その気持ちはどうやって整理していましたか?


私、片付けのプロの方って「10分の1にモノを減らしましょう!」って感じなのかと思っていたんです。でもうきさんは、絶対に判断を強制しないじゃないですか。全然「捨てろ」とか言わないですよね。なんなら「別に必要なら全部残していただいてもいいですよ」くらいな感じで。


ーそうですね。判断はお客様にお任せしています。


「どれを捨てますか?」ではなく、「何を取っておきたいですか?」と質問してくださるんです。捨てるモノを選ぶというよりも、欲しいモノを選ぶ、というスタイルが、結果的にスパスパ手放すことに繋がりました。あとは、人からの頂き物で判断に迷っていたとき、うきさんが「もらった瞬間に気持ちを伝えるという役割は果たせているので、手放しても大丈夫ですよ」と言ってくれて、私も納得してモノに成仏してもらうことができました。


ー手放し方が分かると気持ちがいいですよね。


買い物をするときも、一呼吸置く癖がつきました。例えば、花瓶を買うときに「この素敵な花瓶、使わない時はどこに収納しよう?」とか、「これを買うなら、あれを手放そうかな」とか、飾る場所だけではなくて、出番がオフの時の収納場所も考えるようになり、衝動買いが本当に無くなりました。


ーそれは大きな変化ですね。


片付けによって、消費行動が変わり、そもそもモノが外から入ってこなくなった。これまでは、エコとかサスティナブルとかって私には無理かなと感じていたのですが、片付いてからは、結構エコなんじゃない?と思えるように。手放す時は、近所にあるチャリティショップに持って行ったりしています。気持ちよくモノを迎え入れて、手放す方法を習得できたという感じですね。



大切なことを優先するために


ー他には何か生活の変化などはありますか?


座ってお茶を飲めるようになりました!3人の子どもがいると、座ってお茶を飲むことって、ものすごくハードルが高い。前はお気に入りのティーカップを出すということすらできず、手前にある好きでもない謎のカップに、適当なティーバックを入れて。しかもそれを立って飲むという感じでした。だから一人で座ってお茶を飲む時間があるというのは、本当に片付けのおかげです。


ー素敵なエピソード。このお話が励みになる方たくさんいらっしゃると思います。


何をするにも、やっぱり生活がちゃんとしていないといけないので、本当に片付けって重要ですよね。子供を産むにも、仕事をするにも、社会貢献するにも、家が片付いてないと何も始まらない。


ー片付けって、生きる上での、とても根本的な部分なんですよね。自分が大切にしたいことや、優先したいことが分かってくる。Yさんは暮らしの中で何を大切にしてきたいですか?


家事を最小限にして、土日は子どもにフルコミットしたいというのがあって。子育ては大変ですが、今すごく可愛い時期。それなのに、土日に家事ばかりしていたり、探し物と片付けの時間って、本当にもったいない。


ーじゃあ今は、遊びに全力投球?


もう本当に遊んでますね。前は土日どちらかの半日はひたすら、家事、掃除、洗濯、そして探し物という感じだったので。今は平日に少し片付けたり、キッズルームで子どもだけで遊んでくれたりとかで、子どもがつまらない時間が生まれない。



片付けはメンタルトレーニング


ーお片付けに悩んでいる方にお声がけするとしたら、どんな言葉をかけますか?


改めて片付けを一度「習ってみる」という感覚でお願いしてみるといいと思います。小さい頃から「片付けなさい」は100万回言われてきたけど、片付けの方法は学校で教えてもらってない。うきさんには、片付けをしてもらった、というより、習い事として片付けを教えてもらった、という感じなんです。レッスンが終わった後も、生活や持ち物はどんどん変化していますが、レッスンで身につけた知識で自分で対応することができています。



ーリバウンドすることもなく、環境の変化にも対応できているということですね。元々片付けに苦手意識があったところから、今は自信に満ち溢れているのが伝わってきます。


そうですね。ずっと片付けに対して、苦手!苦手!!苦手!!!と思っていんですが、レッスンを受けていくうちに、ただやり方が分かっていなかっただけで、「なんだ、私できるのか!」と。メンタルトレーニングですよね。私は片付けができる子なんだという意識に、うきさんに手を繋いでもらって、少しずつステップアップできました。


ーお客様に自信を持っていただきたいというのが、私の大きな願いでもあるので、嬉しいです。


私、実はそのメンタルトレーニングを、いま子どもに仕掛けていて。「宝物入れ」というボックスを一人一個ずつ作っていて。子どもたちは自分の作った折り紙とかを入れているんですが、カゴがパンパンになったら全部取り出して「どれを取っておく?」と要るモノ・要らないモノを分けてもらうんです。そうすると大体半分くらいに減るんですよね。それを定期的に繰り返していて。子どもの将来のためにコツコツやっています。


ーそうなんですね!今からそれをやっておいて、今後の人生で片付けに悩むことがなければ、有意義な時間の多い人生になりますね。とても楽しみです!