お名前:Mさん(50代)
インタビュー日時:2021年11月15日
ご家族構成:お一人暮らし(戸建て2LDK)
普段は保育士として忙しくお仕事をされているMさん。家族のみんなは片づけが得意なのに、自分だけ片づけができない、というコンプレックスを長年抱えていらっしゃいました。お一人暮らしをされていたお母さまの介護のため、急にご実家に戻られることとなり、いろいろ不安を抱える中、片づけのご依頼を決意。この日は最後のレッスンを終え、心境を伺いました。
− 本日でレッスン卒業、おめでとうございます!
本当にありがとうございました。初めてお願いしたときは、家も気持ちも、荒(すさ)んだ状態だったのですが、うきさんが「どんなに汚くても大丈夫です」とおっしゃってくれたので、思い切ってお願いして、本当に良かったです。
− ご依頼のきっかけをあらためてお伺いしてもよろしいですか?
とにかく私はモノが多く、片づけられない性格で、やらなきゃと思いながらも、何十年と見て見ぬふりをしていました。自分で片づけようと思っていた時期もあったのですが、一人では限界というか、とにかくモノが捨てられなくて…。
そんな中、母が一人で住んでいた家に急遽引っ越すこととなり、この機会に片づけて、「すっきり気持ちよく暮らしたい」と思ったのがきっかけでした。
− 小さい頃から片づけがコンプレックスだったのですか?
そうですね。母をはじめ、父も姉も片づけられる人で、いつも私の部屋だけ散らかっていました。
子供のころ、母に「片づけないと、学校行っている間に捨てちゃうよ」と言われて、まさか本気じゃないだろうと思っていたら、本当に捨てられたこともありました(笑)それでも治らず、苦手なまま今までやってきました。
大人になり一人暮らしを始めたのですが、一人なのになんでこんなにモノがあるの?ってくらい、モノが多くて。探し物に時間がかかってしまったり、散らかっている状態が目に入るのが嫌で嫌で、家に帰りたくないということもありました。家で安らげるということがなかったですね。
− ご依頼するときは葛藤などはありませんでしたか?
すごくありました。私は片づけられないくせに、散らかった状態を見られるのは嫌、という性格だったので。それに、片づけっていうのは「普通はできること」と認識していたので、当たり前にできることをプロに頼むのはどうなんだろう?と思っていました。
でも、先ほども話した通り「どんなに散らかっていても大丈夫ですよ」とうきさんがおっしゃってくれていたので、とりあえず一度来ていただいて、どんな感じなのかを見てみようと、依頼することにしました。
− 片づけをして、どんな変化がありましたか?
とにかく探しているモノがすぐ見つかるので、無駄な時間が減りました。イライラしたり、モヤモヤする時間が減って、精神衛生上とても良いです。いつもスッキリとした気持ちで過ごせるようになりました。
また、おうちが片づいていくにつれ、以前のように「家に帰りたくない」と思うことがなくなり、おうちでも気持ちよく過ごせるようになってきました。実は最近、フラワーアレンジメントも始めてみたんです。お花があると、おうちを綺麗にしようとも思いますし、お花を眺める余裕も大切にしたいなと思えますね。当たり前かもしれませんが、モノを溜めないようしようとか、使ったものをもとに戻そうとか、そういったこともできるようになってきました。
− 片づけで大変だったのはどのカテゴリーですか?
私の場合は、書類が大変でした。洋服用のケースに大量の書類が溜まっていて、いつかやらなきゃとは思っていたんですが、ずーっと溜め込んでいました。
書類って、どれが重要なのか判断できず、「とりあえず取っておく」ということが多かったのですが、いざ見直してみると、不要なモノが多かったですね。職場から「あの資料持ってきて」と言われたらどうしようと思ったこともありましたが、「持ってきて」と言われたところで、以前の状況では結局見つけられませんでした。それに、無くてもどうにかなるものがほとんどだと気が付きました。
私にとっては、「あとで必要になったらどうしよう」という心配を抱えるよりも、「いつかやらなきゃ」という肩の荷が降りたことの方が大きなメリットでした。職業柄、「しばらく保管しなければいけない書類」がどうしても増えてしまうのですが、そんなときは、書類の代わりに捨てられるモノはないかな?と視点を変えたりして、モノを溜め込まないように気をつけるようになりました。
− 洋服の片づけはどうでしたか?
洋服も最初はなかなか手放せず、苦心しました。でも、うきさんが「古いモノを捨てないと、新しいモノは入ってきませんよ」、「循環が大切なんですよ」ということを伝えてくれたので、最終的にはだいぶ減らすことができました。お気に入りだけを残したので、「これでいいや」と惰性で着る服がなくなり、洋服を選ぶのが気持ちいいです。
レッスンでは、ソファも手放し、TV台も新調したりと、大きなモノもたくさん捨てました。そうすると、目に入ってくる情報が減って、思考がクリアになるんですよね。また、本当は捨てたいと思っていたモノを、ちゃんと捨てることができたというのは、快感でした。
ソファに関しては、あっても服や荷物を置いてしまったり、うたた寝てしまったりで(笑)なのでいざ捨ててみたところ、とくに支障はないですし、なんなら無くしてみたほうが、モノをソファに溜め込むことがないので、家が散らかる要因が一つ減って、私にはとても合っていました。
− レッスン後半に入ると、とても楽しそうに片づけをしていたのが印象的でした。
うきさんに月に一度来てもらうことで、次までに粗大ゴミを出しておこうとか、リサイクルに出そうとか、リズムに乗れたのが良かったです。後半は片づけのペースが出来てきましたね。最後の思い出品の片づけも、懐かしい気持ちになりながら、楽しく進めることができました。
− 一度片づけたところは、リバウンドしたりしていないですか?
リバウンドはしてないです。私の性格やライフスタイルから「数を減らした方が管理が楽になりますよ」と教えていただき、モノは増えなくなりました。モノが多くても、自分で管理できる方はいいんでしょうけど、私は管理できないタイプなので。「片づけが苦手」という自分のことを理解して、対応できるようになったという感じですね。かなりのモノを減らしましたが、全然足りていますし、不要なモノに自分で気づけるようにもなりました。
− Mさんの中で、捨てられない「原因」はなんだったのでしょう?
「いつか使う」「まだ使える」と思って、捨てられませんでした。溜め込んで溜め込んで、どこにしまったのかを忘れて、必要なときに探せない・使えないということが多かったです。
母がこの家を出ることになったとき、モノも少なく、本当にスッキリとした状態で家を残してくれていて、とても助かったんです。でも私の場合は、万が一のことがあったとき、残された人が困るだろうなと思いました。
− お片づけのご依頼に悩んでいる方がいらしたら、どんな言葉を掛けたいですか?
いままでの私は、「見えるところだけでも、とにかく片づけなきゃ!」と焦ってしまい、「とりあえず」の片づけをして、結果何度もリバウンドしてきました。うきさんから正しい片づけの方法を学んでいなかったら、絶対一人では片づけられなかったと思います。なのでとりあえず一回頼んでみて、合わなかったら辞める、というのがいいんじゃないかな。それが難しいんですけどね(笑)
− 改めて、おうちが整ったいまどんな気持ちですか?
片づけをしてから、おうちの「気」が変わったなと思います。
日本人は、年末に大掃除をして、年始に歳神様を迎えるという習慣がありますが、私は毎年、年末掃除が追いついていませんでした。その度に「自分が神様だったら、私の家には絶対に来たくないって思うだろうな」と悲しい気持ちになっていました。
「気持ちがいい」と思える場所で暮らしている人は、きっと人生のさまざまなことが違ってくるんだろうなぁと思うので、今回片づけができたことはとても嬉しいです。
− おうちがきれいに整って、今後こういう風に過ごしていきたい、こんなことをやってみたい、などはありますか?
お花に触れることで気持ちも美しくなれるので、お花を飾ることを続けていきたいと思います。あとは、おうちに友人を招いてお茶をしたいですね。実は、近々来てねってお誘いをちょっとずつしたりしています。
旅行や、新しいことへの挑戦など、やってみたいことがたくさんあるタイプなので、好奇心を持って生きていきたいなと思います。そのためには、健康であることが基本ですし、健康であるためには、やっぱりおうちが整っていることが大事だなと思います。
− Mさん、貴重なお話をありがとうございました!