消費的な学びから、真の学びへ

うき | 24 April, 2024


          
            消費的な学びから、真の学びへ

暮らしのスコレでは、ヨガ講師の千尋さんをお招きして、毎月ヨガ哲学についての対談を行っています。

今年で2年目になるこの取り組み。きっと「ヨガ哲学」を体系的に学べるスクールや書籍なんかはたくさんあるんだと思うのですが、ここ、暮らしのスコレという場所でヨガ哲学の話をすることに、私たちが求めている「学び」の形が、とてもよく表現できているなぁと最近感じるようになりました。

 

学びの本質とはなにか

暮らしのスコレでは、単なる「知識」としてヨガ哲学を学んだり、正しい解釈を学ぶということよりも、私たちの日常に落とし込んで、ヨガ哲学を実際に「体験する」ということを大切にしたいなぁと思っています。

暮らしのなかで体験すること、感じること、ひとつひとつから、ヨガ哲学的な学びを体得していきたい。ただ知識として「知っている」というのではなく、「そのように生きる」というのはどういうことなのかを、暮らしのスコレでは考えていきたいのです。

 

“そのように”生きる

例えば、「アヒムサ(非暴力)」というヨガの教えがあります。端的にいえば「暴力を振るってはいけない」「傷つけてはいけない」という教えのことです。

しかしそれを、暮らしのスコレでは「こうあるべし」という教訓めいた学びで終わらせるのではなく、どうすれば真の意味で、アヒムサの実践者となれるのかを考えたいのです。

私たちの多くは、日常生活の中で暴力を振るうことはないし、他者を傷つけないよう気をつけて、すでに生活していると思います。

けれども、自分に対してはどうでしょうか?

「こうでないといけない」「もっと頑張らないといけない」と、必要以上に自分を非難したり、頑張らせたりして、自分を傷つけていないだろうか。そのように、自分を傷つけるような言葉には、どんな言葉があるだろうか。自分への声かけを、どのように変えることがアヒムサの実践につながるのか。

こういうふうに、限りなく「自分ごと」として言葉を咀嚼して、アヒムサという“知識を持っている人”から、日々の暮らしにおいてアヒムサを“実践している人”となりたいのです。

 

消費的な学びから、真の学びへ

ヨガ哲学に限らず、暮らしのスコレでは、アウトプット(話すこと、書くこと、行動すること)を大切にしています。なぜなら、学びを消費的なものではなく、生産的なものにしたいと思っているからです。

消費的な学びとは、ただ知識や資格などを所有するだけの学びや、その場しのぎのハウツーやライフハックなどです。世の中にある多くの学びがこの類だと思います。

生産的な学びでは、知識の「所有」が目的ではありません。自分自身が変わること、そこから、なんらかの影響を他人に与えることを目的としたいのです。

他人に影響を与えるためにどうすればいいのかというと、それがアウトプット(学びをシェアしたり、実際に行動すること)です。アウトプットによって、暮らしのスコレという小さなコミュニティからはじまり、自分のまわりや社会に貢献できるようになりたいのです。なぜなら、まわりへの貢献という意味での生産的な学びこそが、真の学びなのではないかと思っているからです。

(学びが生産的になるためには、学ぶ人間、つまり私たち自身が「生産できる人間」であることが大切です。しかし、現代のライフスタイルにおいて、私たちは「消費する人間」を生きてしまっています。どんな学びも結局は「消費」してしまう、というのが私たちの現状です。なので、私たち自身が、「生産できる人間」になるための学び(物質的な“モノ”の生産ではなく、“貢献”という意味で)、と捉えてもいいかもしれません。)

 

Mind, Body, Spirit

ヨガ哲学対談は、

①テーマトーク
②簡単なヨガ、呼吸のワーク、瞑想
③みんなでシェアタイム

という流れで行っています。頭で考えるだけでなく、身体と心を使って体験し、共有すること、つまり、Mind, Body, Spirit 全体を使って、自分をすこやかにしていきたいからです。

特に、最後のシェアタイムで

「こう感じた」
「こんなことに気がついた」
「明日からこんなことに意識したい」

と自分の想いを話すこと(=アウトプット)は、とても大切にしている時間です。その時間は、私も含め、参加しているみなさんにたくさんの影響や気づきを与えてくれるからです。

「自分は一体、なんの役に立っているのだろうか」

そんなことを考えながら生活している人もたくさんいるのではないかと思います。でも、暮らしのスコレでのアウトプットを通して、自分はすでに、自分はまわりへの「影響」という生産活動を行っているのだ、それは立派な貢献なのだと、みなさんに気づいてほしいのです。

最終的には、暮らしのスコレという小さな場所で気づいたこと、大切にしたいと感じたことを、暮らしのなかでアウトプット(意識したり、行動してみたり)できるようになれば、あなたの暮らしに関わるすべての人に、影響を与えることができる=貢献することができるのです。そういう循環を作っていきたいという願いが、暮らしのスコレの根底にはあります。

 

2024年4月24日

暮らしのスコレ|うき

(暮らしのスコレ・2期生は定員に達しましたため、募集を締め切らせていただきました。3期生の募集は、2025年1月ごろを予定しています。暮らしのスコレについて、詳しくはこちら