Vol.10 「どうせ明日死ぬかもしれないし」。自分の人生を諦めていたあさこさんが、未来を描き始めるまでの半年間

暮らしのスコレ・インタビュー

「10年後に、どうなっていたい?」

そう聞かれたら、どのくらい具体的に未来を描けますか?「こんな場所に住んでみたい」「あんな仕事ができたらな」と絵空事のような夢は出てくるけど、心の底から本当に実現できるとは思えているでしょうか。

私たちは、自分が描いた未来に向かって進んでいきます。未来は、これからどんな行動をしていくのかの地図のようなものですが、「暮らしのスコレ」に入る前のあさこさん(30代・女性)は、その地図がほとんど見えない状態でした。

「人生に絶望していたから、“よくしたい”という気も起きないというか……できないって思ってました」

スコレに入ってからの半年間、あさこさんが向き合ったのは自身の過去と現在、そして未来。最初はぼんやりとしていた数年後の自分が、だんだんとハッキリ見えてくるようになった、その変化の過程を伺いました。

毎日を“淡々とこなす”、それだけでいいんだっけ

——まず、「暮らしのスコレ」に入ったきっかけを教えてください。

友人から紹介してもらったとき、まず名前に惹かれて……というのも、数年前からずっと「暮らしに重きを置きたい」と思っていたんですね。過酷だった前職を辞めてフリーランスになったのも、もっと人間らしい生活を取り戻したかったから。でもフリーランスもやっぱり仕事第一の人が多い環境のなか、どうすれば暮らしを大事にできるんだろうってずっと考えてました。だから、名前が「人生のスコレ」だったら入っていなかったかもしれません(笑)

——ここに入ったら、暮らしが大切にできるんじゃないかと。

そうです。入る前にうきさんと面談したときに、少し話しただけでいろいろなことに気づけたのも大きかったですね。特に衝撃的だったのは、たった30分くらいで「私は自分自身に期待するのがすごく苦手なんだ」とわかったこと。自分のなかにある「人生に対する絶望」に気づかされて。

——絶望ですか?

これはスコレでの半年間で徐々に紐解いていったことなんですけど、過去に弟を亡くしていることや、いじめに耐えていた経験などが、根底にある絶望感につながっていました。だから人生や暮らしももう「どうでもいい」……というか、「どうすることもできないんだ」と諦めていたんだと思います。

——「暮らしを大事にしたい」と思いつつ、できていないのは根底では諦めていたからだった……。

そうです。「明日死ぬかもしれないし、そしたら全部どうせ終わりだ」と思うから、とにかく今しか生きられない。ただ目の前の毎日を“淡々とこなす”だけで、暮らしが深まっていかないんです。未来を描くのが難しいから婚活をしてもなかなか身が入らなかったですし、コロナ禍で「私、一生このまま生きていくのかな」と思ったら、ゾッとしたこともありました。

——「変わりたい」という気持ちはあったんですね。

当時は、この絶望感を消したいとも思っていなかったですし、消えるものでもないと思ってはいました。でも、自力で向き合うには限界があるとも思っていたので、客観視してくれる人が必要でした。私が感じているこの感情は何なのか、まずは正しく認識したいなと。その入口のようなものが、たった1回の面談でもらえたので、これを半年間受けたらどうなるんだろう、とスコレに入ることを決めたんです。

初回セッションで「未来の自分と目が合った」

——「暮らしのスコレ」の半年間で、特に印象に残っているのはどんなことでしょう?

ひとつは間違いなく、初回のセッションです。椅子を使って、過去・現在・未来の自分について話しました。過去の話を聞いてもらえたこともよかったんですけど、私にとっては「未来」を想像できたのが大きくて。うきさんは過去の話よりも先に、「半年後にどうなりたいですか?」「将来、どういうふうに暮らしてたら幸せですか?」と未来のことを聞いてくれたんです。

——その時、未来が見えたんですか?

初めて、想像できました。今までも「将来は暖かいところでダラダラ暮らしたい」とかは言えてたんですけど、どこか他人事のような夢物語で、本当に自分にそれを叶えられるとは全然思っていなかった。ファンタジーみたいな。でも今回、終わったあとに私が言ったのは「未来の自分と目が合った気がする」って。まだ解像度はそこまで高くなかったけれど、他人事ではなかった気がするんですよね。

——今までは想像できなかったのに、すごい変化ですよね。

ただ話すだけのセッションではなく、実際に身体を動かす“体験型”だったのが、私には合っていたんだと思います。過去から未来まで椅子を置き、そこを実際に自分が行き来して座ったからこそ、すごくイメージできた。現在から未来の椅子に向かって歩いてみたのも、よかったと思います。

——歩いている時、どんな気持ちだったんでしょうか?

ものすごくゆっくり、止まりながらじゃないと歩けなくて。でも一歩踏み出すごとに遠いところのモヤが晴れていって、「あ、そうなりたいんだ」と発見できたのにはびっくりしましたね。今までは遠くても1ヶ月先くらいしか見えてなかったんですよ。でも、その時は「好きな場所でひとり、のんびりする自分」がちゃんと見えた。その後のセッションで、具体的に現在とのつながりを紐解いていくんですけど、まずは4月の時点で“想像できた”のが大きかったです。

私の中で、確実に変化は起きている

——ほかにも「自分の変化につながったな」ということ、ありますか?

うきちゃんから「しんどい、苦しいって思うのは、本気の証拠」と言ってもらったことですね。今でも私のお守りのような言葉になっています。以前は、何かを続けることが苦手で、「しんどい」と思ったら諦めちゃうことが多かったんですね。たぶん未来の自分に期待できないから「先のためにがんばっておこう」と思えなかったんです。でも、この言葉をかけてもらって、ちょっと踏ん張れるようになりました。

——自分に期待できるようになってきたんですね。

本当はたぶん、自分に期待せずに「どうせ、こんなものだろう」と思っていたほうが楽なんですよね。そう決めちゃえば、がんばらなくていいし。その大きな理由だった「しんどさ」の意味を変えてもらえたのは、すごくよかったと思っています。

——半年間で、あさこさんのなかでいろんな言葉のニュアンスが変わっていったのを感じます。

スコレの半年間を終えて、別に何か大きな結果に結びついたわけではないんです。でも「この半年間、何もなかったわけじゃないよね」と自分に言ってあげられています。うきちゃんは東横線に例えていましたけど……渋谷から横浜に行きたいと思ったときに、もう渋谷は出て中目黒くらいまでは来てるんじゃない?って。横浜にたどり着いてなくても、確実に進んではいる感じ。

——その考え方、いいですね。

私の変化も、側から見たら別に何も変わっていないように見えるんですけど、やっぱり変化は確実に起きていると思います。

絶望感のある自分をまるごと、未来へ連れていく

——最後に、あさこさんがもともと「描くのが苦手だ」と言っていた未来について、教えてもらえますか?

4月に「好きな場所で、のんびり暮らす自分が見えた」と言いましたけど、その後、具体的に「沖縄に住みたいな」と思うようになったんですね。それで実際に沖縄に行ってみて、今は本格的に移住に向けての仕事探しや家探しを、少しずつ始めています。

——え、すごい!

前からなんとなく沖縄に惹かれていたのは気づいていたけれど、想像ができなかったし、移住が叶う気もしてなかった。それが実際に沖縄に行ったあと、うきちゃんに「何年後くらいに行きたいですか?」と聞かれて、「5年は待てない」とか「白い中古車に乗っていたい」とか、いろんな具体的な言葉が出てきたのには自分でも驚きました。

——かなり具体的に、未来が見えているんですね。

今は夢というより、もう「目標」という感覚に近いですね。以前だったら諦めていたと思うんですけど、なんだか今は「できるかも」って気持ちがあるんです。スコレをとおして、自分に「どうしたいの?」と聞いてあげることができるようになったからこそ、本当に沖縄に行きたい自分の気持ちを見て見ぬフリせずに拾ってあげられた気がします。

——拾ってあげる感覚を知っちゃった、みたいな感じなんですね、きっと。

もともと内省や考えることは好きでしたが、自分ひとりだったらここまで来るのに、10年や20年かかっていたかもしれない。講義やセッションを通じて、無意識で思っていたことや自分のなかにある希望みたいなものを自覚させてもらえて、いい意味で開き直れた感じがします。

——“絶望感”は、今もあるんですか?

あります。消えるものでもないんだろうなって。ただ、もうその絶望感も“自分の一部”として受容できている感じがします。「明日どうなるかわかんないし」はネガティブにもなるけれど、生きる力にもなる。そういう変化を、自分のなかでは感じています。

<「私なんてどうせ…」と、未来が見えないまま生きているあなたへ>

暮らしのスコレではじめて、「未来の自分と目が合った」というあさこさん。どんな自分の感情も”自分の一部”として受け入れ、その上で、少しずつ「移住先での暮らし」に向かって、一歩一歩を味わうように歩み出しました。その「一歩一歩」こそが、「生きる」営みそのものなのだと思います。

「暮らしのスコレ」は、あなたの心の声に耳を澄まし、”ほんとうの願い”とつながり生きる勇気を育む場所です。講義や瞑想、プライベートセッションなどを通じて、自分らしい生き方を一緒に探求していきます。(3期までのプログラムの詳細はこちらをご覧ください。)

次期(第4期)は2027年1月にスタートを予定。この4期が、うきが全員にマンツーマンで関わる最後の期となります。

すでに説明会がスタートしており、定員まで残り数名となっております。説明会への参加希望の方は、公式LINEからお問い合わせください。

Writer: Mana Wilson